隣家から依頼されていた竹製の花台の修理が完了。
お客様が椅子と間違えて座られて、壊れたとのこと。

初めは天板修理だけで済むかと思っていましたが、
よく観察すると躯体の歪み、桁の裂け・割れが。
おまけに接合は全て細かな仕口、竹ダボ加工、
苦労された跡もあり修正の困難さがうかがえました。

竹は繊維が硬いうえに今回は古いものなので、裂け目や割れの接着も大変。
ヒビ程度のところには瞬間接着剤を流し込み、広い裂け目は
粘度の高い多用途接着剤を塗ってヒモでギュウギュウに縛って固定することに。

天板は、竹のスライスを細かく継いだもの。
こればっかりは再現する能力がないので代替として、ヒノキの薄板を使用。
竹並みの強度にはなりませんが補強として裏に和紙を貼り、竹風に汚しを入れたのち、
多少の防水も兼ねて表裏に水性ウレタンニスをペイントしました。


外れてしまってどうしようもなかった桁は元の加工方法にならい爪楊枝でダボ継ぎ、
どうにも隠せない裂け目のカバーに手元にあった竹の皮を貼りました。

観察すればするほど発覚する不具合、構造の理解、解決方法の模索…
大変に勉強になりました!