新型コロナが流行る前に勉強しようと思って申し込んでいた、生活の木の素材研究科。塩析をやってみたかったのだけど、コロナ禍で中止のまま。
再開の目処もなかなか立たないので、自分でやってみることにした。

石けんの塩析は、主に石けんからオプションや不純物を取り除く目的で行う。
暮らしの中で想定できるシーンはなんと言っても廃油リサイクル。
最近は揚げ物をしないという家庭も多いと聞くけれど、我が家のようにたまにしかやらない場合、毎回残った油を捨てるのがコスパが悪い気がしてくる。
これをリサイクルできれば罪悪感から解放されるのでは…
我が家は米油を使っているので米油100%で実験してみようということで、いろんなサイトの情報を参考にトライ。

今回使用した油のプロフィールは、2回肉や魚をフライした米油。魚介を揚げた油は特に臭う。
食塩は、スーパーで買える精製塩・くらし良好ブランドの「お塩」。
最短プロセスとしては、
・廃油をホットプロセスで石鹸化。
・塩水に溶かして分離させて静置。
・石鹸成分のみを再度、塩水で分離。
というところ。

300g強の油で実験。
鹸化したマッシュポテト状の生地は、油の色を反映して、けっこうオレンジ。
この状態で泡立ててみたら、かなり揚げ物臭が残っていた。

けっこう色がついてます
時間がかかったがなんとかマッシュポテト状に。

この鹸化した生地を塩析していく。
塩水に少しずつ生地を溶かして分離させていくのだけれど、なんだか大根おろしのよう。

塩水マックス。塩析1回目終了
1回目塩析、翌日。まるでオカラ。

2回目は温水に生地を溶かし、塩をプラスしていく。
順調に溶けるが、なめらかではない。
この状態で泡立ててみたら、臭いは気にならない程度に減っていた。

煮込んで2回目の塩析終了色は1回目とあまり変わらない
2回目の塩析1日後。まるで魚卵。なめてみたが相当しょっぱい。

2回の塩析をしたものの生地はまとまらず。
かなりしょっぱいので、塩抜きを決心。
今度はお湯に溶かし込むだけ。

ほぼ粒がなくなったので、塩抜き終了。
水切りのつもりで蒸し器で整形

塩抜き後、けっこう生地がまとまったので整形したけれど、いまひとつ一体感がなく納得できないので、再度くずして今度はレンジで溶解作戦。

くだいてレンジに30秒ずつかけ、もっちりするまで加熱。
今度はシリコン型に型入れ。表面はすでに乾燥してザラザラ。
右は塩が析出した表面。左は型の中に入っていた部分。
カサカサのカッチカチ。

どうにも思ったように塩抜きができなかった感じ。
考えられる失敗ポイントは
・精製塩だけど食塩相当量が99.1%と精製度が低かった?
・初回塩析の塩水量が多かった?
・煮込みが足りず、塩を抜ききれなかった?
と、材料、計量、手技など広範囲に懸念あり。
リベンジするには、しばらく揚げ物を続けなければならないかな。